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nominalアプローチの "nominal" の訳語について考える
2026-01-15 (更新: 2026-01-25) / 読むのにかかる時間: 約32.9分
計算機科学の分野において nominal set や nominal logic に現れる "nominal" は「名前の具体的な値を切り捨て、置換と有限supportによって構造を記述する方法」を表します。 nominalアプローチを用いると、例えばα変換を群論の言葉 (群作用など) を使って非常に見通しよく定義できます。
この意味で使われる "nominal" には今のところ定まった訳はありませんが、J-GLOBALでは『名目』および『公称』として訳されているようです (ソース1、ソース2)。 しかし、これらの訳はいくつかの理由 (「名前に関する」という意味が弱い、など) から、nominalの訳語としてはベストなものとは言い難いと考えられます。
そこで、本記事では「置換と有限supportによる構造を記述する方法」の "nominal" の訳語として、統計学の名義尺度 (nominal scale) を参考にした『名義』という訳を提案したいと思います。